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「中華そば ¥750+味玉 ¥100」@Miya De La Soulの写真平日 晴天 11:05 待ちなし 後待ち (車内待機なので不明) 後客多数

〝ニューオープン 探検記〟

再び所沢のサウナを拠点とした連食計画を立てた。

昨晩は都内での会食があった為に深夜を過ぎての所沢入りとなったが、そこからでも十分にサウナライフが楽しめる施設なのだ。たっぷりと大浴場を満喫したが、今回の目玉は何と言ってもサウナ後の水風呂だ。夏真っ盛りでも水温 13℃をキープしていたが、少し気温が下がった昨晩はデジタル水温計で 12.1℃を示していた。たった 1℃の違いでも年間 200日以上サウナを愛し〝サ道〟を極めんとする私は、小さな温度差を感じ分けられる体感を得ているのだ。それは風邪をひいた時に、微熱でも体調の違いがあるのと似ている。この 13℃を下回る水温には身も心も震え上がってしまい、天地がひっくり返るような幻想が浮かんできた。この水温を味わってしまっては、他のサウナの水風呂など熱湯に思えるくらいだ。

午前1時も過ぎると大浴場は貸切状態となり優雅な時間を過ごせたのは良いのだが、深夜2時の食事処は営業中にも関わらず座敷に毛布を持ち込んで寝ているマナー知らずの客が多い。そんな無法者の大いびきを聞きながら呑む生ビールは美味いものではなく、そそくさと切り上げて予約しておいたラグジュアリーなVIPルームのベッドに身を沈めた。

翌朝は朝食も摂らずに本日の連食計画の為に身支度を整えると、午前10時のチェックアウトと同時に一軒目に向けて出発した。本日の目的の二店舗は少し前に初訪問を目論んでいたのだが、どちらも祝日明けの火曜定休との事で断念した新店なのだ。そこで昨晩から所沢に前泊して目指すのは、入間市にオープンして一週間ほどのコチラだ。

自宅からでは間違いなく1時間半はかかるであろう道のりなのだが、所沢からだと半分以下の40分で行けるルートを見つけた。西武線で入間駅にやって来ると、南口から西武バス 入市51系統 入間市博物館行きに乗り込んだ。地方のバスには乗り慣れているが思いのほか乗客が多いのは途中に三井アウトレットパークがあるからだろう。そちらまでは車内は満員だったが案の定、ほとんどの乗客が降りるとガラガラになったバスで揺られながら入間駅から20分で最寄りの北中野バス停に着いた。そこからは新築住宅の建築ラッシュと長閑な茶畑を眺めながら8分も歩いて行くと、突如として周辺の民家とは異なる建物が現れた。真っ黒な外壁で覆われた建物をグレーの砂利が敷き詰められた駐車場が取り囲んでいるが、そこがラーメン店だとは周辺からでは確認できないような造りとなっている。

そんなオシャレな外観に暖簾や幟旗は似合うわけもないのあるはずもなく、看板さえもスマートに飾られているだけだ。定刻の30分近くも前の現着となったので並びどころか客用の駐車場には一台も停まっておらず、陽射しを遮るものが何もない店先で一番手にて待機を始める。

自宅兼店舗と思われる立派な店構えを見ただけで、店主さんのこだわりの強さを感じられる。お店情報では同じ入間市からの移転のようだが、この地において一国一城の主となった証のようなパワーがみなぎっている。それはさておきオシャレ重視は良いのだが、建物が南向きの上に日本家屋のような軒先も無いので直射日光をダイレクトに浴びながらの待機は相当に過酷だ。広い駐車場があるので車で続々と押し寄せて来る後続の客人方は車中で待機をしているが、歩兵民の私には非常に待ちづらい店先だった。秋が近づいているとはいえ真昼の太陽の陽射しは老い始めた肉体には堪えたが、そんな事を知ってか知らずか8分も早くオープンとなった。

CLOSEの立て札がOPENに裏返されると、クールな外観の中でも温もりを感じられる木目調のドアを開けて店内に入った。入口左手に設置された券売機の中から本日のお題を吟味すると、背脂推しかと思ったらマイスタンダードである醤油系の中華そばがトップを飾っていた。それを見れば何の迷いもなく味玉入りのボタンを押して、広々とした客席の中のカウンターの端席に腰を下ろした。

そのカウンター越しに店内を見渡してみると店主さんの遊び心や夢が随所に詰まっていて、贅沢な大人のおもちゃ箱を思わせる。オールドアメリカンを彷彿とさせる市松模様の床材や、店内の各所に置かれた古き良きアメリカを感じさせるオブジェには店主さんの趣味や思いが詰まっている。コンクリートの打ちっ放し風のクロスが張られた壁の無機質感と古めかしいオブジェの温かさのギャップが不思議と交差した店内を、ご夫妻と思われるお二人だけで切り盛りしている。

とても二人で回すには広すぎると思われるカウンターとテーブル席が多い客席にも、様々なこだわりを感じられる。それは私が座ったカウンター席のダンパー仕様のバーチェアだったり、カウンターの前面にはグラスや調味料を目隠しして収納できる引き戸棚を設けてあるのだ。そこには店主さんの〝ミニマリズム〟の美学を感じさせ、他の設備にも美的感覚を思わせる要素が見られた。そんな美意識高い系の店内には屋号からも想像がつくようにオールドスクールヒップホップが流れていて、日本ではバブルガムブラザーズが流行らせた懐かしい4ビートのリズムを刻みながら待っていると着席して6分で我が杯が到着した。

そのラーメンの姿を見て何よりも驚いたのは店の雰囲気とのギャップの大きさだった。そこには大変クラシカルな見た目の、双喜に龍の切立丼の中に収まった懐かしい表情を見せていた。ポップな装いの店内からは想像してなかったトラディショナルな姿には意表を突かれたが、考えてみればどちらもオールドスタイルという意味では同じである。そんな懐かしさの象徴でもある〝おナルト様〟は今回もティッシュに包み隠して出演を辞退していただいた。

まずは丁子染色のスープをひとくち。丼の口縁ギリギリまで液面が押し寄せているので、こぼさないように気を付けてレンゲを沈めてみる。表層には香味油の粒子が見られないが、一枚の薄い油膜となって張り詰めている。レンゲによって破かれた隙間からは、節系の魚介の香りが熱い湯気に含まれて立ち昇ってきた。粘度を感じさせずにレンゲに注がれてきたスープを口に含んでみると、主軸となっている魚介出汁はサバ節による香りと旨みだろうか。煮干しなどの複雑な旨みの中でも、特に抜きん出ていると感じたのがサバ節だった。豚清湯と思われる動物系出汁の土台の上で華やかな魚介の香りが優雅に舞う組み合わせだが、魚介の方が強めに主張してくるスープだ。そこに合わせるカエシの塩梅も程よく、年配客にも受け入れやすい味わいに仕立ててある。現に本日の客にも高齢者がいらして店内のインテリアとはミスマッチだが、目の前のラーメンとの相性はバッチリだった。

続いて麺上げまでジャスト240秒の麺を持ち上げると、長い茹で時間にも耐えうる強靭そうな平打ちタイプの中太ちぢれ麺が現れた。箸先にはズッシリとした手応えを感じ、グルテンの密度が濃さが食べずとも伝わってくる。麺肌には薄っすらとした透明感があり、香味油をまとってキラキラと輝いている。その光を見た瞬間にウェーブ状の麺質と相まって、ある人の姿と頭の中で重なった。それはまさに美輪明宏さんのような金髪ソバージュで、艶やかながらも怪しく光り輝いている。これぞ妖艶を感じながら一気に麺をすすり上げると、箸先から伝わったきたタフそうな手応えに反する優しい口当たりで滑り込んできた。それは繊細とも思える滑らかなすすり心地の良さで、すする度にスープの魚介の香りを引き連れてくる。この行為が喜びに変わると、箸のスピードは更に加速した。素晴らしいのは口当たりや舌触りだけでなく、噛み応えの面でも私の本能を魅了してくれた。高めの加水率と熟成が生み出す奥歯を押し返すようなグルテンの弾力が、咀嚼の楽しさを与えてくれて気が付けば麺を半分以上も食べていた。時間が経っても麺がダレる事はなさそうな麺質なので、麺を離れて具材を楽しむ事にした。

具材のチャーシューは豚肩ロースよりもウデ肉に近い部位だろうか、大好物の赤身よりも脂身も多く含まれた部分が切り分けられた。かなり厚みを持たせて切られているので食べ応えは十分あるが、豚肉本来の旨みが逃げ出していて味付けも薄味仕立てなので物足りなさを感じてしまった。また脂身の集中した部分が硬くなって、軟骨でも食べているかのような歯応えも残念だった。

ランダムなサイズのメンマは軽やかな食感も良く、噛めば醤油の香ばしさがにじみ出てくるような味わいもアクセントとなってくれた。

追加した味玉は白身に唇が当たる前から温度の高さが感じられ、盛り付け前に丁寧に温め直された証である。好みの熟成感は生まれてないがスープと合わせて食べる事で薄味の寂しさを回避したが、期待した味玉とは違ったので追加しなくても良かったと思ってしまった。

ラーメン海苔としては定番の大きさである十字8切で添えられた海苔は、密度の詰まった黒々とした見た目なので味や香りは濃いが口溶けの悪さが気になった。

薬味には白ネギが散りばめられていて、香りや辛味を主張しすぎない脇役としての役割を果たしている。青み役にはカイワレが添えてあったが、やはりこのタイプのラーメンには茹でた青菜の方が望ましいと勝手に思ってしまった。一手間かかった茹で青菜には、切っただけのカイワレとは比べ物にならない存在感があると思う。

中盤からも麺の変化を心配する事なく食べ進めて、スープとナルト以外は平らげていた。気が付けばオープンと同時に広い客席は満席となっていたようで、外待ちの行列も発生していた。

店を後にして連食予定の練馬駅近くの新店に向かったのだが、店頭のメニューを見て愕然となった。唯一そこにあるはずのラーメン系の煮干しそばが品切れとなっていたのだ。その他のメニューは、つけそばや油そばだけでラーメンの文字はない。本日は昼時を過ぎてしまったせいで売り切れになってしまったのだろうと、連食計画を断念して明日のオープン直後に出直そうと気持ちを切り替えた一杯でした。

投稿 | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

おばんです、ども。
羨ましい、ゴージャスな工程ですね。
また、ここのラーメンもなかなかの高評価!
BM済!

村八分 | 2019年9月20日 18:44

〝サ道〟〝キャ道〟ハイ・ハイ・ハイ!
こちら宮寺が移転したのですね!
ソバージュを語るときに「美輪明宏」ださないだろういくらなんでもw
ショートボブは「IKKO」なのか?

昭和のBecky! | 2019年9月21日 01:35

村さんこんにちは。この場を借りて何ですが、館山から都内に移転してきた「めん楽亭」の移転前レビューの中に、村さんの名前を見つけた時は驚きましたよ。なかなかの行動範囲ですねw

のらのら | 2019年9月21日 12:39

ショートボブな麺なんて、それはラーメンではなくショートパスタですよw 移転前をご存知なんて、さすがですね。

のらのら | 2019年9月21日 12:41