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「味玉鶏そば ¥850」@らぁめん サンドの写真土曜日 晴天 11:05 待ちなし 後待ち9名

〝諸国麺遊記 東北編〟

本日は桜前線の北上を待たずに北へと足を伸ばそうと思い立ち午前7時半に家を出た。それは昨夜からチケットを予約しておいた、東北新幹線 8:20発 はやぶさ5号 新函館北斗行きに乗車する為だ。

今回の麺遊記の計画を立てながら呑む酒が美味すぎて、昨晩は深酒をしてしまい身体が重い。もう今シーズンは着る事のないと思われた、クリーニングから戻ってきたばかりのダウンジャケットを東北の気候を考えて再び袖を通した。男の一人旅なので、さほどの着替えも必要なくショルダーバッグひとつで東京駅のホームに降り立った。

今回は贅沢にグランクラスにしたので、発車前に大好きなビールを買う必要もない。(酔っ払った勢いでネット予約したのが真相) 私にとってグランクラスは飲み放題付きの新幹線というに過ぎないが、300ml缶を50本くらい飲まないと元が取れない計算になる。それを思うと、やはり贅沢列車という事は否めない。

春先の休日なのに18席のうち3席しか埋まっていないグランクラスの車内は静かで快適そのものだ。発車すると軽食と飲み物が振舞われる。以前は和軽食か洋軽食が選べたのだが、今回は和軽食のみとなっていた。すぐさまビールを立て続けに頼み、次駅の大宮までに3本のビールを空けていた。しかし昨夜の酒が抜けきらない身体には無理をさせられず、ここで専用グラスを返した。

もちろんグランクラスの醍醐味は飲み放題だけではない。フルフラットに近いシェル型シートで眠る事も大きな魅力なのだ。これからの盛岡駅到着までの二時間近くをゆっくりと身体を休めながら向かう事にする。仙台駅到着の車内アナウンスで一度目が覚めただけで快適に盛岡駅に着いた。私にとっては、NHK朝ドラの「あまちゃん」のロケ地巡礼以来となる盛岡駅だ。前回は駅構内のポスターは「あまちゃん」一色だったが、今回は釜石で試合のあるラグビーワールドカップ2019一色だ。

当初の計画では盛岡駅からは、いわて銀河鉄道線で向かう予定だったが強風の影響で新幹線が10分遅れてしまい、乗り継ぎ時間が40分近くズレてしまった。それでは11時半開店前の現着が出来ないので、やむを得ずタクシーで向かう事になった。目の前にそびえる岩手山の雄々しい景色に向かうように走るタクシーの車内で聞くドライバーさんの南部訛りと雄大な風景が、ガキの時に読んだ「六三四の剣」を思い起こさせる。そんな旅気分の中で10分も走ると大きな交差点に着いた。すぐ目の前にはRDB総合ランキング岩手県第1位のコチラの看板が見えた。

開店25分前では並びもなく、先頭にて風除けシートの掛けられた外待ちベンチで待機する。店のガラス窓や入口にはブラインドが下りているので臨休かと思ったが、店内からは準備をする物音が聞こえてくるので一安心した。程なく行列も増え始めて定刻には私を含めた10名が並んでいた。

定刻通りにえんじ色の暖簾が掛かりオープンとなった。店内の暖房を保つために一人ずつ入店するたびに扉を閉めるスタイルで食券を購入する。券売機で迷う事なく醤油系に味玉を追加してカウンターに座る。

店内を見渡すとカウンターとテーブル席と中待ち席が設けられたシンプルな店内をご夫妻と思われる二人で切り盛りされている。店内にはSARAHの歴代の受賞歴を誇る盾が飾られて、人気と実力の高さがうかがい知れる。調理場内も特に変わった機材は見られないが、スープを沸かし直す雪平鍋にデジタル温度計が入れてあるのが印象に残った。きっとスープの温度を適正で仕上げる為の気づかいなのだろう。本日の客層は、ご近所さんと思われる方々がほとんどだ。年齢層もバラバラで高齢者も見られるのでオジサン向きへの期待は高まる。

そんな中で待つこと5分の第一ロットで我が杯が到着した。その姿は胴の部分がスープの色と同調するような橙色の高台丼の中で、洗練させた容姿を輝かせている。それは自分が盛岡に来ていることを忘れてしまうようなスタイリッシュな姿に驚いた。

まずは弁柄色のスープをひとくち。明らかな黄金色の鶏油が地鶏由来であることは間違いない。まばらなドットの鶏油が液面の半分に偏っているので、先入れではなく後乗せされたものだろう。出来るだけ油膜の少ない場所を狙ってレンゲを落としてみると、フワッと鶏出汁の香りが立ち昇ってくる。いざ口には運ぶと熱々ではないが、かなりの高温をキープしている。サラリとした口当たりで、醤油ダレの香味も高めに設定してある。しかし出汁の旨みが濃いので塩気を過剰に感じることはない。最近のトレンドの鶏と水を前面に押し出したスープだが、地鶏のクセを上品に抑えてあるので嫌味やトゲがなくオイリーだが飲みやすいスープだ。

麺上げまでジャスト80秒の中細ストレート麺は切刃の角がハッキリと分かる麺肌だ。全粒粉と思われる色素の麺を箸で引き上げると、ハリやコシの強さは伝わってこない。どちらかと言えば柔肌さを感じる。口に運ぶと滑りの良い麺質に鶏油の潤滑油が重なって更に口当たりを良くしている。しなやかな茹で加減だが、グルテンの密度は高くモッチリとした食感も出ている。その歯応えのおかげで、物足りなさは解消され飽きることなく食べ進めることが出来た。私にとっては提供時がベスト麺ディションと思い出来るだけ麺を食べ急いだ。

具材は真空調理のチャーシューが二種類で鶏ムネ肉と豚ロースが一枚ずつ入っている。鶏ムネ肉は食感を意識して厚切りにしてあり、ソミュール液のスパイスがしっかりと利いているので薄味ながらもパンチがあって良い。一方の豚ロースは薄切りで食感も乏しく、赤身本来の旨みも抜けていて残念。

追加の味玉は魚介の旨みと香りが浸み込んではいるが、塩分の浸透圧による熟成はしてない。好みの完熟味玉とは違っていたが、品の良いスープには似合っているのかもしれない。

水鶏系には必須となりつつある穂先メンマは適度な歯応えを残した仕上がり。茎の部分から穂先にかけての食感のグラデーションは見事にアクセントとなっていた。麻竹の発酵臭も残してありタケノコにはない特有の香りも好ましい。

薬味も王道スタイルの三つ葉が添えてあるが、大まかな切り口が良かった。たまに細かく刻んだ三つ葉に当たることがあるが、あの切り方だと常にスープに寄り添ってくるのが邪魔になる。しかしこの大きさだと、三つ葉を噛んだ時にだけ香りを発するので必要以上に出すぎなくて助かった。その程度の香りだけで十分に存在感がある三つ葉なので、この添え方は大正解。

中盤からも麺を噛んで生まれた甘みにスープの塩気を加える食べ方で、箸が止まることはなかった。純粋に自然な旨みだけで構成されたスープは最後の一滴まで舌や喉に違和感を感じることなく完食完飲していた。

総合ランキングの第1位が無化調のラーメン店とは、IT系(意識高い系)おじさんにとっては岩手県の皆さんの味覚の素晴らしさがうれしく思う。具材が好みと違っていたのが私には残念だったが、こんな自然派のラーメンを食べられるご近所さんが、うらやましく思った。

一番手の私が食べ終えた頃に、ようやく二番手のお客さんのつけそばが出来上がった。それだけ丁寧で渾身な調理なので回転は早くないのかも知れないが、待つだけの価値はあるラーメンに出会えた。東北遠征としては上々のスタートを切られたと思う。次の目的地を目指して北上するために帰りのバス停へと歩いて向かう一杯となりました。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

ハイソなリッチ麺楽しませていただきました!
今度は、東北まで反省の旅ですか(笑)
自由な時間!新幹線とTaxi使っての高級旅行はセレブならでは!
IT系イテーっなやつですね!「グランクラス」って知らなかったです。

昭和のBecky! | 2019年4月14日 22:24

死に場所を求めて行ったつもりが...

のらのら | 2019年4月15日 00:52